日比谷公園 PART 2

 SweetSライブ 第二夜。


 昨日の今日で、場所も熟知しているので、何の滞りもなく開演1時間以上前に到着。


 昨日とは変わり、ステージから2メートルほど距離を置いて柵が設けられている。


 今夜得た位置は、左端に近い3列目。しかしこれは昨夜を参考に計算したポジションである。




 春奈は昨夜落としてしまったセリフをちゃんと言い切った。客席からは笑い声。自分もニヤついてしまう。

 さてライブであるが、(たしか)「ラズベリー」曲中のある場所で、春奈がステージ向かって左端に立ち、いっさいパートがない状態でたたずむことを、昨夜発見しておいた。
 昨夜は左寄りの前列は小学生くらいのグループが固まっていたが、今夜はそこを狙っていたのである。

 意外とセンターはレスを得にくい。少なくともこれまでのSweetSライブではそうだった。
 むしろ左右の端で、パートがないときにピンポイントで名前を呼んだり、派手なアクションで気を引くと、ビシッとレスが来るのである。



 そして自分にも来たのだ。
 最前列は、身長150cmにも満たない女子高生風の二人組み。その後ろ、すなわち自分の前は、背の高い野郎二人だが両脇に居て、自分の前は3列目とは思えぬくらい視界が開けていた。
 例の場面にさしかかると、春奈は昨夜と同じステージ左端から正面に顔を向けた。ここですかさず「レスくれビーム」を発射しまくる。春奈の目線をガッチリ捕えて離さなかったのである。
 春奈は私と見つめ合ってくれた。ひいき目ではなく、間違いなく私と、数秒間見つめあったのだ。
 私の後ろは、椅子の上に立った奴が居ただけで、高さが全然違う。
 そして、見つめ合いの終わりに彼女は、例の「照れて目を逸らすような、はにかみ&ニヤリ笑い」を放った。
 東京ドームでもレスは得たが、あれは正直言うと射線上の他の誰かでなかったとは言い切れぬ。
 しかし今夜のあれは、絶対に間違いなく、世界でただ一人、私に向けて放たれたものだった。




 うだるような蒸し暑さの中、有楽町を急ぐ私の足は、きっと泳ぐようだっただろう。




 読み返してみると、かなり病的に感じるが、おそらく私は、あの超・核爆レスを得た瞬間に狂ったのだ。