横溝正史

深夜「悪霊島」を観る。
前に観たのはいつだか覚えていない。島・海+バックに流れる「Let it be」は、子供心に強烈なイメージを刻み付けた。
原作は推理小説としては失敗作。上下2巻を読み終えて落胆させられた(それでも、読んでいる間それなりに面白かったあたりは、老いたりとはいえ横溝)。
一方の映画は、風景は美しいし、俳優は豪華だし、映像作品としては楽しめる。ただしカメラワークがテレビ的。劇場のスクリーンで観るとどうなんだろうこれは?
謎解き場面は苦労の跡がうかがえるけれども、原作より理屈っぽく、かえって筋がややこしい。
それに、もう一つのバックボーンである古尾谷青年の親探しおよび磯川との関係が変更されてしまっている。隠れたメインテーマなのになぁ。